インタビュー　N様

Nさんが医師のキャリアを持つ中で、歯科医院のコンサルタント業を始められた理由について、お聞かせください。この道を選ばれた動機やきっかけは何でしょうか？

Nさん

「私は医師として働いていますが、同時に父が経営する歯科医院の状況にも関心を持っていました。父が還暦を迎えた頃、彼の医院では患者さんが減少してしまい、そこで私が何か支援できないかと考えたんです。

私自身もクリニックを経営していたからこそ、その経験を生かして父の医院を助けたいと思いました。

そこから歯科医院コンサルタントとしての活動を2019年に始め、今では経営チームを拡大し、三人で運営しています。毎週、定期的にミーティングを行い、歯科医院の訪問を続けているところです。」

Nさんの活動は、単に業務効率化や収益向上の指南にとどまらず、医療提供者の心理的なサポートにも及びます。

彼の経験と専門知識は、歯科医院が直面する困難を、全方位から解決へと導く強力な武器となっています。

このインタビューを通して、Nさんの独自のアプローチが、どのようにして医療業界に新たな風を吹き込んでいるのかをご紹介します。

Nさんのお父様が今も歯科医院院長さんであると伺いました。今のNさんのキャリアにどのように影響されたのでしょうか？

Nさん

「家族で一緒に仕事をする際、親子の関係が業務に影響を及ぼすのは避けたいと考えました。

そのため、仕事中は父に対して敬語を使うようにしましたね。やはり、一番上の人を立てることは、組織内の関係性において非常に重要です。

このアプローチが、私たちの関係性を変えていきました。特に、仕事と家庭の境界を明確にすることで、尊敬と協力のバランスを保つことができたと感じています。」

Nさんの言葉からは、家族経営の難しさと、それを乗り越えるための独自の方法が伺えます。

仕事と私生活の区別をつけることで、プロフェッショナルな関係性を築き上げることの重要性が際立ちます。

このような配慮は、Nさんが他の歯科医院に対してコンサルティングを行う際にも、組織内の人間関係を理解し、改善する上での貴重な経験となっていることでしょう。

「数ある歯科医院コンサルタントの中でも、Nさんのアプローチは特に助かると評判です。他のコンサルタントとの差別化をどのように意識されていますか？」

Nさん

「現場を知っているということが一番大きい差別化ポイントだと思っています。

現場で直接得たアイデアや解決策は、コンサルタントが社員を通じて得る情報とは全く異なります。

やはり、現場の感覚を知っていることが大きな違いを生むと考えています。

ただ、その中にいると、第三者の視点で見ることができない場合もあります。問題の見え方が変わったり、気づけないことがあるのも事実です。」

Nさんの言葉からは、現場経験の重要性が強調されます。

彼は現場での実務経験を基に、より実践的なアイデアや解決策を提供しています。

それは、歯科医院経営における固有の課題への理解を深め、具体的で実行可能なアドバイスを可能にします。

しかし、現場に深く関わることで見失いがちな第三者の視点も重要であり、このバランスを保つことが、野原さんのコンサルティングの質を高める鍵となっています。

具体的に、どのようなアプローチが他のコンサルタントと異なるのか、教えていただけますか？

Nさん

「一つ例を挙げるとすれば、コミュニケーションの方法も大きなポイントですね。

自分では丁寧に伝えているつもりでも、相手にはそのように受け取られていないことがあります。

『○○しておいて』と普通に伝えたつもりが、相手はそれを強い命令と捉えてしまうことも。しかし、『○○しておいてくれませんか？』と少し変えるだけで、受け取り方は大きく変わります。

これは表面的な問題ではなく、実際に現場で生じているコミュニケーションの課題です。

つまり、ご自身が気づいていない小さなところから、大きな改善が生まれるということです。

このような細かい部分に目を向け、提案をさせていただくことが、私の解決策となります。」

Nさんの話からは、歯科医院経営において、コミュニケーションの質がいかに重要であるかが伺えます。

日常のコミュニケーションの中で見落としがちな細かなニュアンスが、実はチームの雰囲気や患者様との関係に大きな影響を及ぼしているのです。

このように、現場の経験から得た洞察をもとに、具体的かつ実践的なアドバイスを提供することで、野原さんは歯科医院の改善に貢献しています。

Nさんはコンサルタント業もされている上に精神科の先生でもいらっしゃいます。精神科の先生と聞くと、寄り添ってくれる印象が強まり、親身になってもらえる雰囲気を感じます。院長先生や社長さんは孤独だとよくおっしゃいますが、この点をご自身の強みと思われていますか？

Nさん

「精神科医として意識していたわけではありませんが、確かに精神科医として培ったコミュニケーションスキルを無意識のうちに使っているかもしれません。

相手の話をしっかりと受け止めること、その重要性を感じています。たとえその場で解決策が出なくとも、『検討します』という姿勢を見せることが大切だと思います。

実際に、精神的に楽になったと言っていただけることがありますね。」

そういったアプローチによって、周りからの反応は変わりましたか？

Nさん

「あまり自覚はなかったのですが、LINEなどでの相談が増えたことは確かです。

コンサルティングでは売上向上も大切ですが、経営者が孤独ではないと感じられるような支援をすることも、私にとっては重要なことです。」

Nさんの話からは、精神科医としての深い洞察力と、人に寄り添う能力が彼のコンサルティングスタイルに大きな影響を与えていることが伺えます。

彼は経営者の孤独感に対する理解深いアプローチで、心の支えとなるような関係性を築き上げています。

この独特の強みが、野原さんの提供するサービスを、他のコンサルタントとは一線を画すものにしています。

実際にNさんのコンサルティングを受けた院長先生からは、どのような感謝の言葉をいただいていますか？具体的な変化や成果について、お話しいただけますか？

Nさん

「他の方々からは、『大人の会話ができる』という感謝の言葉をいただいています。

特に、私の父親はとても柔軟に考えることができる人で、息子である私からの意見もしっかりと聞き入れてくれました。

親子関係では、どうしても議論しがちになりますが、我々は親しき仲であっても適度な距離を保つことで、その問題を乗り越えることができました。」

Nさんのコンサルティングは、経営者同士の「大人の会話」を実現させることで、組織内のコミュニケーションの質を高めることに貢献しています。

特に、家族経営の場合、Nさんのように適切な距離感を保ちつつ、意見を交わせる関係を築くことは、非常に価値のある成果です。このアプローチにより、Nさんは多くの経営者からの信頼と感謝を得ていることが伺えます。

Nさんは、実際にクリニックを三つも経営されているとのことですが、その経験がコンサルティングにどのように活かされているのでしょうか？

Nさん

「実は、クリニックを三つ目出すことになり、その経験が今の私の強みとなっています。

自分自身が経営者として直面するさまざまな課題や、その解決策を見出す過程で得られた知見は、他の何物にも代えがたいものです。

実際に経営をしているからこそ、経営者の方々がどのような困難に直面しているのか、その心情を深く理解できるんです。第三者的な視点というところで冷静な判断もできます。

それが、私の提供するコンサルティングサービスを他とは一線を画すものにしています。」

Nさんの経験に基づくアプローチは、単に理論的なアドバイスを超えた、実践的な解決策を提供しています。

自身が経営者として直面した挑戦とその克服は、他の歯科医院経営者にとっても大きな学びとなり得ます。

このような現場でのリアルな経験は、Nさんが他のコンサルタントと差別化を図る大きな要因となっており、多くの経営者から信頼される理由の一つとなっています。

歯科コンサルをされて他の医院の方ではどんなお悩みが多かったのですか？
それをNさんがどう解決されたのかエピソードを教えてください。

Nさん

「多くの場合、医院の方々自身が何に困っているのかを明確に言語化できないことが一番の問題です。

私が行う最初のステップは、まずはリストアップしてもらうことから始めます。

そして、その中から「一番困っていることはこれですね」と一緒に整理する作業を行います。

実際に挑戦してみて初めて、どこに失敗の可能性があるのか、どのような解決策が考えられるのかを、優先順位をつけて考えることができます。

優先順位を整理することで、次のステップに進みやすくなりますね。このプロセスを通じて、多くの院長さんから感謝の言葉をいただいています。」

Nさんの話からは、問題解決に向けたプロセスの重要性が浮き彫りになります。

問題を具体的に言語化し、それを整理することで、医院経営者自身が直面している課題に対してより明確な視界を持つことができるようになります。

Nさんの経験豊富な視点と、このような体系的なアプローチが、多くの歯科医院にとって実際に役立つ解決策を提供しているのです。

具体的には、どんな例がありましたか？

Nさん

「多くの医院が新規の患者さんを増やそうと集中しすぎて、実はもっと大切なことを見失っています。

それは、今いる患者さんをどう治療し、予防して満足させるかという点です。

新規の患者さんももちろん大切ですが、すでに来院している患者さんが継続して来院し続けることが、医院にとって最も重要な成功の鍵です。

実際、困難な患者さんが来院すると、スタッフが疲弊し、医院全体のモチベーションが下がる原因にもなります。

だから、「あの歯科医院ならまた通いたい」と患者さんに思ってもらえるような環境作りを心がけています。

一度患者さんを失うと、医院のモチベーションも下がってしまいますから、経営面だけでなく気持ちの面でもサポートを提供することが私の強みです。」

Nさんのアプローチは、新規患者獲得の追求だけでなく、既存の患者さんの満足度を高め、長期的な信頼関係を築くことに重点を置いています。

このような考え方は、医院の持続可能な成長に不可欠であり、スタッフと患者さん双方の満足度を高めることにつながります。

Nさんの経験と洞察に基づいたサポートは、多くの歯科医院にとって貴重な指針となるでしょう。

コンサルタントの目指すべき方向性とか、これから何を成し遂げたいと考えられていますか？

Nさん

「私は、選択肢をたくさん持っていることが、人生を豊かにすると強く信じています。

年齢が高くなると、体力的な制約も出てきますし、選択できる範囲も狭まってくる。毎日を進化し続けることは難しくなってきます。

そうなる前に、私独自の実践によるデータ分析から得た実証を基にサポートさせていただいています。

父親の経験をはじめ、多くの方々に支えられて今の自分があることを深く感謝しています。

経営者でもあり、医師でもある私は、歯科業界に深い理解を持っていますので、その知見を活かして、少しでも多くの方々の選択肢を広げ、人生を豊かにするお手伝いをしたいと考えています。」